73年前の日本の政治

日本の政治が腐りきっているのは、今に始まったことではない。
今から73年前、昭和11年

経済恐慌から始まった、日本の大不況!
各国は自国を経済ブロックで覆った。

日本では弱体内閣が続き、政治家の贅沢三昧が国民を怒らせた。
そう、このころの日本の政治も腐っていたのだ
日本の絹の株価が暴落し、農村は困窮と冷害による凶作であえいでいた。

軍上層部でも、自らの保身に走るものが多かった。
陸軍は議会の統制により、国難を脱そうとする、「統制派」
天皇陛下御自らによる御親政による、御威光で国を救おうと考えた「皇道派

海軍青年将校らと陸軍士官学校候補生が犬養首相を殺害した、
5.15事件が起きた。
以下は、首謀格と言われた三上卓中尉が22歳で書いた曲の歌詞である。

一、泪羅の淵に波騒ぎ 巫山の雲は乱れ飛ぶ 混濁の世に我立てば
義憤に燃えて血潮湧く

二、権門上に傲れども 国を憂うる誠なし 財閥富を誇れども
社稷を思う心なし

三、ああ人栄え国亡ぶ 盲たる民世に躍る 治乱興亡夢に似て
世は一局の碁なりけり

四、昭和維新の春の空 正義に結ぶ丈夫が 
胸裡百万兵足りて 散るや万朶の桜花

五、古びし死骸乗り越えて 雲漂揺の身は一つ 
国を憂いて起つ時に 丈夫の歌なからめや

六、天の怒りか地の声か そもただならぬ響きあり 
民永劫の眠りより 醒めよ日本の朝ぼらけ

七、見よ九天の雲は垂れ 四海の水は雄叫びて 
革新の時到りぬと 吹くや日本の夕嵐

八、あゝうらぶれし天地の 迷いの道を人はゆく 
栄華を誇る塵の世に 誰が高楼の眺めぞや

九、功名何なにか夢の跡 消えざるものはただ誠 
人生意気に感じては 成否を誰かあげつらう

十、やめよ離騒の一悲曲 悲歌慷慨の日は去りぬ 
われらが剣今こそは 廓清の血に躍るかな

驚いた人もいるだろうが、今の日本そのままである。
これは70年前の日本の歌詞である。

その後日蓮宗の僧侶、井上日照ら血盟団による事件や
永田軍務局長が刺殺される事件が起き、

幕僚(将官)クラスの「桜会」が決起計画がひそかに計画されたが、
憲兵に露見し、失敗している。

以降も決起計画が立てられるが幕僚軍人の保身が相次ぎ、

中隊長クラスの青年将校は「軍閥」と怒った。
そう、軍の上層部も腐っていたのだ。

北一輝が国家改造を叫んで、改造論を書いた。
彼は国家社会主義者だった。

当時青年将校らに日蓮宗の信者が多かった。
だから皇道派青年将校だった、ウチのじいちゃんの家と
私の家の宗派は日蓮宗なのだ。

当時皇道派の親玉として真崎大将と荒木大将がいた。
そして青年将校らは天皇陛下への恋蕨(れんけつ)の情を抱いて、
昭和11年、1936年 2月26日 0500

青年将校ら決起!」
首相官邸を襲撃!侍従長襲撃!大蔵相襲撃!
内大臣襲撃!渡辺教育総監殺害…

だが、事件末期決起強硬派だった栗原中尉までも「もうだめです」と漏らす。
中隊長らはどんどん部下を原隊へ帰らせて部下の兵隊の名誉を守った。

だが、安藤大尉だけは違った。

大尉は決起前、決起には反対だった。
「例え国の為とはいえ、陛下の皇軍を私兵に使うのは…」
と悩んでいたのだ。

それだけに、原隊への帰隊命令に対し徹底抗戦を叫び、
山王ホテルに閉じこもり、楠正成たらんとした。

安藤大尉の第6中隊は結束が固く、大尉と部下のつながりが一番深かった。
なぜなら、彼はとても優しくて部下の兵隊の殆どは困窮にある農村出身だった。
彼は部下の家族に自分の給料のほとんどを送金しており、
同中隊からは「菩薩」のように慕われていた。
だから、最期まで団結が固かった。

上官の伊集院少佐が来た。
「安藤、奉勅命令が出たのだ…部下を原隊へ返せ!」
安藤大尉は
「私は兵隊の家族が大切だから決起したのです、今更兵を返せとはどういうことですか、こうなるまであんたらは何をしていたんだ!

そこに第一師団長が来て説得に来た。
「安藤、部下の兵隊に賊軍の汚名を着せてお前はそれでいいのか?今すぐ部隊を解散させろ!」
それに対し安藤大尉は啖呵を切った。
「閣下!何が賊軍ですか!尊皇の前には将校も下士官も兵も一体であります!我々は帰りません!また、自決もしません!」

「師団長閣下に斬られるのなら本望です、どうか思いっきり斬ってください」
師団長の堀中将は号泣し「俺も自決する!安藤のような立派な奴を死なせなければならないのが残念だ…」

その時一人の下士官が安藤大尉に抱きついて、
「中隊長殿が自決されるなら!私たち中隊全員お供します!」
中隊全員はただ、号泣していた…

その後安藤大尉は拳銃を引き自決しようとした、
それを後ろの磯部一等主計が大尉の首を絞めて、やめさせようとした。

「離してくれ…」
その時周りにいる人全員が号泣していた…
「何という日本の現状だ…前島、離してくれ…中隊長は何もしないよ…するだけの気力が無くなってしまった…だが、君の心配していた農村もついに救うことができなかった…」
安藤大尉は号泣を始めた…そして部下を原隊へ帰し、

自決未遂を持って、鎮定した。

青年将校らはただ陛下への恋蕨の情で決起した。
だが、陛下は激怒!彼らを銃殺刑で処刑した。

青年将校らは処刑前に、「天皇陛下万歳!」と言って死んでいった…

あまりにも悲しい時代の悲劇だった。

その後統制派が起こしたのが…大東亜戦争であった。

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