【号泣必至】特攻の生みの親、大西瀧治郎海軍中将の凄絶なる生涯。

64年前の8月16日…
ある男が自決に果てたのはご存じだろうか?

かの男の名は
海軍中将 大西瀧治郎
特攻の生みの親」とされ、特攻隊を送り出し、
多くの若者を死なせた全責任を取り割腹自決した…

私は17の時に大西中将の遺書を読み号泣し、
涙に誓って祖国を取り戻すと誓った。

さらに19の時、元自衛官の先輩から大西中将を描いた映画を知り、
その映画を購入し、見た。

私は軍刀で自決しかけるほどに申し訳がなかった。
最期の…あのシーンで…

その映画は「ああ決戦航空隊」
大西と特攻の全てを凄絶に描いた映画である。

以下が大西中将の基礎データである。

大西 瀧治郎(おおにし たきじろう、1891年6月2日 - 1945年8月16日)は旧日本海軍の軍人。最終階級は海軍中将。兵庫県氷上郡芦田村(青垣町を経て現在は丹波市)出身。海軍兵学校第40期生。「特攻生みの親」として有名ではあるが、これが事実であるかは議論の余地がある

その「ああ決戦航空隊」で大西役を演じたのが、
元特攻隊員であり、軍歌歌手だった鶴田浩二だった。

さっそく話を進めよう。

大東亜戦争末期、後退を始めた日本軍はフィリピンで、
米艦隊と艦隊決戦に持ち込むべく、捷一号作戦が考案された。

栗田艦隊をレイテ湾に突入させるという作戦である。
このフィリピンが敵軍に奪還されれば、本土まで爆撃される道を、
開かれてしまうことになる。

当時海軍の内部でも「体当たり攻撃」を叫ぶ声があった。

航空母艦「千代田」艦長 城大佐はこう言った。
「もはや通常の戦術ではこの戦争には勝てません!」
「1艦1殺!体当たり攻撃あるのみです!」
「私は軍令部へ行き、私を指揮官とした体当たり特別攻撃隊を編成するよう意見を具申するつもりですが、その前に大西次長の御推薦を仰ぎに来ました。ぜひ!お願いします!」

「戦局を一変し勝利を掴むには、もはや決死ではなく、必死!」
「十中十死の体当たり攻撃しかないと私は確信します!」

当然反対する者もいた。

「私は反対であります!パイロットを鉄砲玉のように飛ばされては」
パイロットがあまりにも惨かです!そんな胸糞悪い戦法とれません!」

岡村大佐「御覧ください…」

「当基地内でも事故は連日のように起きています…」
「飛行時間が200時間を割るものでも第一戦に送らねばならないのが現状であります…」

大西は海軍軍令部に行った。
大西「体当たり攻撃への要望はもはや興廃と湧きあがっております」
「その前に海軍としての明確な意思を示していただけないでしょうか?御意見をお聞かせください。」

「死んでこいなどという命令は戦史に類を見ないだろう、まず連合艦隊の意見を聞かんことには始まらんだろう?」

大西は連合艦隊司令長官と話をした。

豊田「問題はそれで軍の統制が保ちうるかどうかだ」
大西「では連合艦隊としては体当たり攻撃を取ってもよい、そう解釈してよろしいのですね?」
豊田「うむ」

大西の報告書は海軍大臣にも軍令部総長にも行っていた。


米内「この戦争は君の言ったとおりになったね…」
「君は山本と同じく日独伊三国同盟にも反対し、開戦にも反対だった。大艦巨砲主義を捨て、航空機優先を唱え、海軍の錨のマークを「プロペラに変えろ」と叫び続けた」
「そんな君に、なんの手土産もたせずフィリピンに行けというのは残酷かも知れんが、どうしてもここは君にやってもらいたい!君しかやれんのだ!」

大西「以前より海軍の内部で問題になっている特別攻撃法のことですが、その戦法をとるのかとらんのか、またのその作戦による勝利勝敗は全て本職の責任です。」
大西は例え特攻で戦争に勝っても自決する気でいたという。

大西の腹心の部隊として児玉機関という組織が存在した。
児玉機関とは 国粋党総裁笹川良一の仲介で海軍航空本部嘱託となった児玉が、1941年12月に海軍航空本部の依頼で上海に設置した諜報機関

この男が大西に特注の軍刀を手渡した。

大西はフィリピンに飛び201航空隊司令部に、

「戦局は皆承知のとおりで、もし今度の捷一号作戦に失敗すれば、それこそ由々しき大事を招くことになる。それには敵空母の甲板をつぶして飛行機の発着を不可能にする必要がある。少なくとも1週間、空母の甲板が使えなければ良いことだ。そのためには零戦に250キロ爆弾を抱かせて体当りさせるほかない。これ以上に確実な方法は無いと思うが。」
201航空隊司令部は飛行員たちに聞きに行った。

「今日、マニラから大西次長がお見えになられた。」
「前から海軍内で問題になっていた特別攻撃を提案された。」
「だが、まだ私はお受けするとは言っておらん。貴様らの率直な意見が聞きたい…」

「私にやらせてください!」

「私も」
「私も」
「私もです」
司令「本当にいいんだな?」

「良いも悪いもありませんよ副長!同期の奴らは半分以上もアメ公にやられてしまったんです!ここで仇を取ってやらないと、あの世で合わす顔がありません!」
「そうですよ!どうせ一度は死ぬんです!死ぬなら敵空母のど真ん中にぶつかってやります!」
仇打ちだぞ!みんな

みんな「おおっ!」
隊員の意思を確認した副長は指揮官をだれにするか考えた。
指揮官には兵学校出の関行男大尉が選ばれた。

副長「今日大西次長が訪れて体当たり攻撃法を提案された、そしてその指揮官にお前に白羽の矢が立ったのだ」

関大尉は3回髪をとかし、なでるようなしぐさをして…
「ぜひそれは、私にやらせてください!」

そして体当たり特別攻撃隊が編成され、
名前は「神風(しんぷう)隊」と命名された。


出撃の朝、大西は旅立つ特攻隊員にこう訓示した。

日本はまさに危機である。しかもこの危機を救いうるものは、重臣でも大臣でも軍令部総長でもない。無論、自分のような長官でもない。それは諸氏の如き純真にして気力に満ちた若い人々のみである。従って自分は一億国民に代わって皆にお願いする。皆の成功を祈る。皆は既に神であるから、世俗的な欲望は無いだろうが、もし有るとすれば、それは自分の体当りが成功したかどうかであろう。皆は永い眠りにつくのであるから、それを知ることは出来ないであろう。我々もその結果を皆に知らせることは出来ない。自分は皆の 努力を最後まで見届けて、上聞に達するようにしよう。この点については皆安心してくれ。 しっかり頼む。

どんな気持ちだったのだろう…
かわいい自分の息子のような部下を自分の命令で死なせなければならなかった大西の気持ち…

大西は特攻隊員を大変可愛がった。

大西「みんな!一緒に呑もう」
大西「君の故郷(くに)は何処だ?」
隊員「静岡であります!」
大西「静岡か、いいところだな。」

頼むよ
大西「君は何処だ?」
隊員「福井であります!」
大西「御両親は健在か?」
隊員「はっ!」

頼むよ…」

そして神風特別特攻隊「敷島隊」が出陣した。

関大尉の最期

戦果は多大であり、米軍は神経症になるほど恐れた。
しかし、捷一号作戦は失敗に終わった…

その後も特攻は続き、フィリピンで飛ばせる機体が無くなった201航空隊は陸戦隊となった。

大西は自らが死ねるのか敵襲撃の際試した。

敵の銃撃は大西を避け
まだ…死ねんのか…」と漏らした。

そしてついに本音を言った。

特攻なんてありゃ…統率の外道だよ

そして大西は歌を詠んだ。

自分の世評がいかに厳しくなるか十分承知のことの歌だった。

苦悩する大西。

大西は「特攻隊員になにかしてやれんか?」
と度々児玉に話していた。

児玉は特攻隊員たちに「何のために平然と死ねるんだ?」と聞いた。
隊員は「親父のためですよ、親父も死にたがっているでしょう…」

隊員「こんなこと親父には言わんで下さいよ」
児玉「わかった」

特攻をやめようと部下の源田実大佐が言い出した。
大西はこう言った。

「地上にいれば恨まれたたかれ、空に舞い上がればなすすべもなく撃ち落とされる…かわいそうだよ、あまりにもかわいそうだよ、特攻は続ける…部下に死に場所を用意してやるのも将としての重要な責任なんだよ、私はそれが彼らへの大愛だと信じている」

大西は特攻で亡くなった人たちの全ての名前を記録し、
線香をあげ、悲しんでいた。
思い出すあの面影…

「おい?蛍?俺の代わりに母ちゃんとこにいってくれよ…」

若い隊員たちを思い出し、泣き苦しむ大西…

大西は奥さんがいた。
だが夫婦別で暮らしていた。
大西はこう言った。
「俺が握手して特攻で死なせた若者が261人もいるんだよ…」

「彼らは家庭生活も知らないで死んでいったんだよ…」
「こんな俺が家庭生活ができるか!!」

大西は苦しんでいた…
ついにサイパンが陥落し、本土へ国際法違反の無差別爆撃が繰り返された。
そんな焼けただれた町の中でも、大西は市民を労わった…

大西と陸軍大臣終戦つまりポツダム宣言受諾に反対した


大西は「2000万の特攻をすればアメリカも和平交渉に応じてくる」
と叫んだ。

号泣する大西

「なにか良い知恵はないでしょうか…戦に勝つ…何かないかな…だけど、どうやったら収拾できるんですか?国民も死んだ者もみんなが納得できる負け方、この戦争はね…国民が好きで始めたんじゃないんです!国家の戦争というのはね、国家の元首の戦いなんですよ、日本はそこまで死力を尽くして戦ってきたのですか?負けるということはですよ?天皇陛下御自ら戦場にお立ちになって、閣僚も我々幕僚も敵に体当たりして破れてこそ、「負けた」と言えるんじゃないですか?和平会議なんかは生き残った国民が考えればいいだけのことです…私はそうなることを信じて特攻隊を飛ばしたんです!それを信じてくれたから、特攻隊員の若い諸君は喜んで死んでくれたんです!何人が特攻で死んだと思いますか?2600人もですよ、私が一人ひとり握手して送り出したんです、そんな彼らに…誰が…日本が負けたと言えますかっ!!くっ!ぐぐぐぐぐ」

そして御聖断が下ってもなお、大西は陛下に徹底抗戦を主張しようとした。
そんな大西を米内はこう説得した。

米内「君をフィリピンに送ったのは…私だ、君の胸中はほかのだれよりもこの米内が一番よくわかっている…軍人としての主張なら君の意見は、一理も二理もある…だがね…いつか、誰かが…この戦争はやめようといわなければならかったんだ…もし米軍のほかに、ソ連も参戦したら、日本はドイツと同じように分割占領されるであろう、そうなったら君の言う民族の魂も二つに分かれて争うことになる…確かに降伏するということは明治以来のわが国体の本義に背くことになる…陛下の御聖断は誤った道かもしれん…しかし今陛下お一人の過ちを問うことよりも、6000万の国民を救うことが先決ではないかね?本日の御聖断を「天の声」として、受け入れてくれんだろうか?それでもなお、君が徹底抗戦を叫ぶなら…私は…君を斬るしかない!」
大西は涙をのんで徹底抗戦を断念した…
翌16日児玉は大西の自宅に呼ばれた。

そこで児玉の見たものは…


























































































自刃に果てた大西の姿だった。

「機関長ぉ!うぁっぐ…あぁああああああぁあぁ…」

児玉が大西に話しかけた。
児玉「おやっさん!児玉参りました」
大西「ぉお…」

大西「部下との約束を…果たしたぞ…」
児玉「わかっとります!おやっさんの気持ちはこの児玉が一番ようわかっとります!」
大西「介錯は不要だぞ…できるだけ長く苦しんで責任を取って死にたい…」

大西「君にも苦労をかけた…今まで、ありがとう…」
児玉「おやっさん!私は残念です!私はおやっさんは御健在のものだとばかり信じて、マッカーサーが上陸したら一戦交えようと、銃や手りゅう弾も用意しておいたのです!もう夢が無くなりました…お供します!」

大西「馬鹿者!貴様が死んで、クソの役に立つか…貴様には用があってここに呼んだんだぞ…」

その後児玉はただ号泣していた…

大西の自決である。


遺書


特攻隊の英霊に日す、善く戦ひたり深謝す。
最後の勝利を信じつつ肉弾として散華せり、
然れ共其の信念は遂に達成し得ざるに到れり、
吾死を以て旧部下の英霊と其の遺族に謝せんとす。
次に一般青少年に告ぐ。
我が死にして軽挙は利敵行為なるを思ひ聖旨に副ひ、
奉り自重忍苦するの誡ともならば幸なり。
隠忍するとも日本人たるの矜持を失ふ勿れ。
諸子は国の宝なり。
平時に処し猶克く特攻精神を堅持し日本民族の福祉と、
世界人類の為 最善を尽くせよ…

現代語訳「遺書」
この曲を聞きながら読んでほしい。

特攻隊の立派な霊たちに告げる。
今までよく戦ってくれた…ありがとう…
心から君たちに感謝する。

君たちは日本の最期の勝利を信じて、
肉の玉として散って行った…

しかし…君たちの尊い信念は遂に達成することは叶わなかった…

私は自らの死をもって、君たちと君たちの遺族に謝罪する。

次にこれからを生きる戦後の日本青少年たちに告げる。

私の死は軽々しい行動を取り、利敵行為となってしまうから。
私の死は陛下の尊い決断に従ったものだ。
だから、これが自らへの戒めだと思ってくれれば嬉しい。

戦後を生きる日本人たちよ、これから苦しい時代を生きるだろう…
だが、どんなに苦しくても日本人としての誇りを決して失わないでほしい。

日本の子供たち?君たちは「日本という国」の宝だ。

どんな時も、「絶対くじけないんだ!」という特攻精神を持ち続け、
日本全民族の福祉と、世界の平和の為に…

最善を尽くしなさい。

海軍中将 大西瀧治朗 命


最後に…
遺書は涙でびしょびしょに濡れていたそうだ。

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